千葉県の給食改革実例集!

千葉県内で、小麦中心の給食をオーガニックや米飯中心の給食に変えている地域があります。

また、形までは至っていないが現在進行形の地域。

そこまでにも至っていないが、変えていきたいと考える人は多いと思います。

皆さんの考えや、すでに活動している方はどのようなことをされているのか等をご紹介いたします。

◉いすみ市:有機米の給食

いすみ市の学校給食は、2017年10月より市内13全ての小中学校の給食で食べる米を無農薬無化学肥料の有機米にしました。

学校給食で使用されるお米の全てが、有機農産物(農薬・化学肥料不使用)となるのは、いすみ市が全国で初めてになります。

いすみ市では、2013年に「自然と共生する里づくり」の一環として、有機米の生産を働きかけたそうですが、地元で実際に有機稲作に取り組む農家がなかったばかりか、農家の反応も冷ややかだったそうです。それでも、一人の農家が手を挙げて、2013年に25aから始まりました。

2014年に有機稲作モデル事業で生産された有機米4tの活用方法についての話し合いで、農家側から、学校給食で地元の子どもたちに食べてもらうことが一番良いという意見が出されたことから2015年に1ヶ月間学校給食に提供されました。これが評判となり、有機稲作モデル事業への関心が高まったということです。

そして、全小中学校の計約2,300人分の米、約42tを賄うことができるようになったそうです。

◉木更津市:循環型給食

未来に向けて環境に配慮した「オーガニックなまちづくり」を進める木更津市は、その一環として循環型給食がスタート。

循環型給食とは、学校給食に地元生産者の生産品を使用し、食べ残しを肥料化して生産者に還元する取り組みのこと。

自校式給食を実施する鎌足小・中学校で平成27年に始まったもの。

季節によりばらつきはあるが、鎌足地区の農家から提供されたニンジンやダイコン、カボチャなど12品目の野菜を平均32%、給食に使用している。

農家からは、「自分たちの作った野菜を子どもたちが食べてくれることに、一層のやりがいを感じる」という声が聞かれ、地元の活性化に一役買っているようだ。

循環型給食の取り組みは、子どもたちが食べ物の大切さを学ぶきっかけにもなっている。

学校に野菜を提供する農家での農業体験と、食品ロスについての特別授業を子どもたちに行ったところ、給食の食べ残しが約46%減少したとのこと。

野菜づくりの大変さや楽しさを実感し、まだ食べられるのに捨てられてしまう食材が日本でいかに多いかを知ることで、一人一人の「もったいない」「残さずに食べる」という意識が高まっている。

木更津市では来年以降、他地区にも循環型給食の拡大を予定している。

◉南房総市:完全米飯給食

千葉県南房総市では2011年4月から完全米飯給食が始まりました。その立役者となったのが同市の三幣貞夫教育長です。

「来年4月から給食は全部ごはんにします!」と、前年に教育長に就任した直後に市内の教育研修会で三幣教育長が宣言。「嫌な人は他市に行ってもらいます。」三幣教育長の強い信念のもと、栄養士や教師が一丸となって美味しいごはん給食に取り組んできました。

長い教師生活の中で学校給食を食べ続けてきた三幣教育長。しかし、40歳を迎えたころから、給食の献立に違和感を覚えるようになりました。

「年齢を重ねたこともありますが、油と砂糖だらけで徐々に胃が受け付けなくなってきました。それだけではなく、自分は ”何人(なにじん)” なんだろう?という疑問も湧いてきて…。食事とは文化であるはずですよね?」、冷えた薄切りの食パンを焼かずにジャムをつけて食べるときのわびしさ。「なんでこんなものを食べなくちゃいけないんだ?」と。

給食への疑義を感じ、校長時代は幾度も栄養士に「どうにかならないのか」と注文しました。しかし、返答は必ず「私たちだってどうすることもできません。」でした。

そうした長年にわたっての蓄積されていた給食改革への思いがあったからこそ、教育長になって真っ先に取り組んだのです。

最初に取り組んだのは「主食改革」。「主食が変われば、おかずが変わる」と考えたからです。

「食に対する知識や経験は大人の方がありますから、子どもたちにとって良かれと大人が思うものを提供します」

子どもが食べたいものであっても、食べさせてはいけないものもあります。

大人の責任として、子どもにきちんとしたものを食べさせることはとても大事です。そして、最もふさわしいのが和食であり、ごはんを主食とした食事なのです。

次に提案したのが「おいしい給食」

「細かいところまでいちいち計算しなくていいから、とにかく子どもたちが、おいしいと言って全部食べるような給食をまずは考えよう」と言いました。

栄養素の数字だけを見た帳尻合わせのメニューは要らない。同市の献立は、単なる”栄養素計算”ではありません。子どもたちの嗜好に合わせたメニューでもありません。

大人が「子どもたちに食べさせたい、伝えたい」と思う献立、地域の食材を利用した南房総市の気候風土を感じられる郷土の味です。ご飯が主食だからこそ、そうした給食が実現しています。

それから完全米飯給食に付随した徹底した地産地消。地産地消の鍵は「米飯給食」だと言います。

「ごはんになれば、おかずが変わる」という発想です。おかずが変われば、そのおかずは地産地消できる。生産者たちの協力はもちろん、栄養士をはじめとした教職員たちの努力の賜物によって実現されています。こうした南房総市の給食の取り組みの背後には、食育への想いだけでなく、地域活性化への思いがあります。給食を「食育」として単体で捉えず、地域を学ぶ「南房総学」の一環として捉えていると言います。地域で採れるものを地域で食べる。風土を生かしたごはん給食を進めることによって、地域の活性化にもつながっているのです。

南房総市はさまざまな取り組みをしながら、米飯給食をすすめ、その良さを伝えようとしています。

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